どの業界にもパートや派遣、契約社員などの非正規雇用の職員は一定数存在するが、介護業界は非正規雇用の割合が全体の四割以上と特に高いのが特徴だ。非正規雇用に対しては収入が不安定、社会的信用が低いなどデメリットが先行するかもしれないが、非正規雇用ならではのメリットも存在するのだ。

まずメリットとして挙げられるのが自分の生活様式に合わせて働けることである。特に介護職は女性の割合が高いため育児や家事との両立を考えると、フルタイムで残業や夜勤もある正社員より非正規雇用の方が都合が良い場合も多い。
この他に扶養の範囲内で働きたい、時給の良い夜勤だけ働きたいなど個々の事情に合わせて柔軟に働き方や労働時間を調整する事も可能だ。
また残業や夜勤の少ない非正規雇用は正社員に比べ労働時間が少ないので疲労の軽減が可能、体力に不安のある女性や中高年にとっては大きなメリットとなるだろう。

収入に関しては同じ非正規雇用でもパートより派遣の方が時給が高く派遣元の会社によっては正社員より月給が高いケースもある。しかし派遣は契約期間終了後も更新されるとは限らないので立場は不安定だ。
パートは派遣に比べると時給こそ低いものの施設によってはボーナスや退職金が支給される、更に正社員と同じく施設から直接雇用されている立場なので正社員と良好な人間関係を構築しやすい。

非正規雇用が多いのは施設の資金不足で正社員を増やせないという側面もあるが、こうしてみると介護職員側が非正規雇用の方にメリットを感じて選択している側面もあるようだ。